魅惑の絶対君主
レオくんは高校入学と同時に叔父さんの家を出て、現在はひとり暮らし中。
人間不信も少しはマシになってきたみたいだけど、いまだに特定の友達はつくらず、暇さえあればわたしの元にやってくる。
おかげで、わたしは高一になっても恋愛経験がゼロのまま……。
それは、まあ、いいんだ。
昔からお互いの家の事情を知ってて、相談に乗り合いっこして。
レオくんはわたしにとってもかけがえのない存在だから。
「金の支援できたらいいんだけど、僕も今は自分の生活費だけで精一杯だからさ……」
突然ぽつりとそう零したレオくんにぎょっとする。
「えっ、急にどうしたの。そんなの要らないからね……っ?」
「早く金持ちになって冬亜ちゃん楽にさせてあげるから待ってて」
「いやいや、レオくんがほんとにお金持ちになったとしても受け取らないよ!」
「なんで?」