魅惑の絶対君主


もったいないので、すぐには食べずにいったん冷蔵庫へ持っていく。


3時のおやつにしようかな。

そう思いながら冷蔵庫の扉を閉めると、自分の口元がだらしなく緩んでいることに気づいた。



.
.




──ピンポーン……。


午前11時半。

インターホンが鳴った瞬間、ハッとする。


そういえば今日は土曜日だった……!



相楽さんがのそのそ廊下に出ていこうとするから、慌てて引き止める。



「あっ、わたし出ます……!」

「は?」


「料亭・鏑木の宅配員さんなんです。えっと……土曜日のお昼だけは、対面で受け取るようにしてて」

「………」

「く、詳しくはあとで説明します!」

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