魅惑の絶対君主
「え、なに……やぅ」
キスをしながらぐいぐいと壁に押しやられる。
訓練でもう何回もキスをしてきたから、戸惑いつつも受け入れるけど。
「ん……んぅ……っ」
いつにも増して、激しい、ような……っ。
栄養たっぷりのご飯を食べてもらうためにやってきたのに、甘い熱が体を侵すから、早くも意思を手放してしまいそう。
訓練のときはいつも基本的にベッド。
時間がないときはソファを使うこともあったけど、いきなり廊下で……というのは初めてだ。
触れた部分から濡れた感触が伝わって、びりっと刺激が走る。
やっぱりいつもと違う……。
熱い……。
そう。伝わってくる体温が尋常じゃないほどに──。
「っ、相楽さん待って、だめ、ストップ!」
唇と唇のあいだに手をするりと滑り込ませる。
相楽さんはイラッとしたようにその手を掴んで引き剥がそうとした。
「だめって言ったらだめです!」