魅惑の絶対君主
これは説得するための言葉というよりも、わたしの本心だったりする。
相楽さんは敵……かもしれないけど、勝手に心配になってしまうものはしょうがない。
相楽さんのとの生活は、わたしにとって少なからず幸福だと思える。
オークションまで3ヶ月間、わたしを管理するのは相楽さんだけであってほしい。
他の誰かじゃ絶対にいや。
まんまと絆されて、ちょろい女だって笑われるだろうけど……
それでもいいって思えるくらい、いつのまにか大切な存在になっていた。
「あと、シンプルにわたしはカップ麺が食べたいです。ここのところ豪華な料理ばっかりだったせいか、ジャンクなものを舌が求めてます」
そこまで言い切ると、相楽さんは諦めたように小さく笑った。
「完敗。たまにはワガママ聞いてあげるよ」
よかった、受け取ってもらえた……!
ホッと胸をなでおろす。
相楽さんが食べるのを少しのあいだ見守ってから、わたしは再びダイニングに向かった。