魅惑の絶対君主
ついつい持論を語ってしまって赤面する。
きっと鼻で笑われるんだろうな……。
「うん。……それ、俺も今実証できた」
そんな言葉と同時。
ふいに柔らかい笑顔を向けられて。
──バクン!と心臓が壊れたような音を立てた。
バクバク、バクバク、収まる気配がない。
まだ噛んでる途中だった麺を、反動で全部飲み込んでしまった。
「うっ、ぐ、……!」
「おい、へーき?」
顔を寄せられれば、逃げるように椅子から立ち上がってしまう。
落ち着け、落ち着け……っ。
「だい、じょーぶです……」
深呼吸をしながら再び椅子に座ったものの、食べ終わるまで、激しい鼓動が止むことはなかった。
「相楽さん、今日は一日寝ててくださいね」
「冬亜が隣で寝てくれるならいいよ」
「う……ぅ、」
そんなこと言われたら、従うしかない。
窓とカーテンを閉めて。
昼間なのに暗い部屋でふたり、長い夢の中に落ちた。