魅惑の絶対君主

せっかく相楽さんが三者面談に来てくれたのに、初めから終わりまでもやもやしっぱなし。


うまく笑えてる気がしない。


サキちゃんと相楽さん、並んだら、ほんとにお似合い、だったな……。



三者面談の緊張もあってのもやもやかと思っていたけど、夜ご飯を食べてもお風呂に入っても、消えるどころか、もっとひどくなって。


ベッドに入る頃には、もやもやが塊と化して、胸が苦しいまでになってしまった。



なにこれ。

こんな感覚……知らないよ。


寝返りを打った直後、相楽さんが寝室に入ってきた。



「今日は面談頑張ったから、訓練免除でいいよ」

「……え?」


冗談だと思ったのに、次の瞬間部屋の電気が消えてびっくりする。



「え、あの……」


言いかけて、口をつぐむ。


いや、ここは「ありがとうございます」って言うところでしょ。


いつもさんざん乱されて、朝、けっこうきついんだから……。

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