魅惑の絶対君主
「単刀直入に聞くけど、昨日の面談に来てた人……冬亜ちゃんの親戚じゃないよね」
「っ、え……」
すっと血の気が引く感覚がした。
「い、いや……親戚の人だよ、いとこなの」
「中学の頃、冬亜ちゃんは、いとこもはとこもいないって言ってた」
「……っ」
ハッと胸を突かれる。
そういえば、そんな会話をしたこともあったっけ……。
「そのときは、まだ親戚の関係をまだ詳しく知らなくて、いとこがいたのを、つい最近知ったというか……」
「鏑木先輩が、冬亜ちゃんの苗字を“相楽”だって勘違いしてた」
「……え?」
息が止まりかける。
ここで、どうして鏑木先輩が……。
「鏑木先輩も俺と同じバレー部なんだよ。今まではろくに会話もしたことなかったけど、この前、“冬亜ちゃんとよく一緒にいるよね?”って話しかけられて……どういう関係か聞かれた」
「……、……」