魅惑の絶対君主


もう観念することにした。


誰にも言わないでと念入りに前置きをしてから、これまでの経緯を一から順にレオくんに話した。



オークションのことはさすがに伏せた。


相楽さんの家に住んでいる理由は、「わたしが高校を卒業して風 俗にあがるまでの見張りのため」と説明して。

そこには疑問を持たれずに済んで、ホッと安堵する。



「そっか……。とりあえず、高校卒業まではまだ猶予があるんだね」

「う……ん」


「よし、それまでになんとかしよう。今は見張りがあるから下手な動きは危険だけど、念入りに計画を寝れば絶対に逃げ切れるよ。逃げ切って、その相楽ってやつを警察に訴えるんだ」


「っ、でも……、相楽さんは悪い人じゃないの、」



思わず口を挟んでしまった。


レオくんの鋭い瞳がこちらを向く。


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