魅惑の絶対君主
「は? 何言ってんの……?」
「本当、だよ……。相楽さんの会社が悪いことをやってるのは本当だけど、相楽さんは、わたしが落ち込んでたら一緒にご飯を食べてくれたり──」
「まさか、“好きになった”とか言わないよね」
「えっ……えっと……」
ちょうど昨日、自覚した……とは、とても言える雰囲気じゃなく。
それでもカンが鋭いレオくんは、わたしの反応を見て察したみたいだった。
「冬亜ちゃん、自分が何言ってるかわかってんの……? 相手は犯罪者だよ!」
びく、と肩が震える。
犯罪者……。
そうかもしれない。
そうかもしれないけど……。
「目ぇ覚ましなよ。自分を監禁してる奴を好きとか……ただ洗脳されてるだけだから」
「か、監禁されてるわけじゃないよ。だって、こうして学校にも来れてるし、学校に来れてるのも、相楽さんが上の人に頼んでくれたおかげで──」
「っ、冬亜ちゃん!」