魅惑の絶対君主
小さな手
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「冬亜ちゃん、おはよう」
キッチンのドアを開けると、トーストの香ばしい匂いがした。
レオくんがそれをお皿に乗せながら、テーブルまで運んできてくれる。
「わあ〜、美味しそう。ありがとうレオくん」
「うん。それより急いで食べないと遅刻するよ。いつも言ってるけど、いい加減二度寝する癖直しなよ」
「……今日は相楽さんが夢に出てきたから、もう1回寝たらまた会えるかもって思ったんだもん……」
「………」
はあ、とレオくんが長いため息をついた。
「もう無駄だってば。あいつは冬亜ちゃんを迎えに来なかった」
「……うん。そうだね」
「ねえ、冬亜ちゃん。今日でもう1年経ったよ。冬亜ちゃんの返事、聞かせて」