魅惑の絶対君主
──────あれから1年。
わたしは高校2年生になった。
相楽さんにチョーカーを外された日から半月くらいは、迎えに行くって言葉をすっかり信じて待っていたけど、
日が経つにつれて絶望へと変わっていった。
思えば、相楽さんは『迎えに行く』と言いながらも、わたしの逃げる場所は聞かなかった。
そのことに気づいたのは、オークション開催予定日をとっくに過ぎてからだった。
我ながらなんて間抜けだったんだろう。
わたしのチョーカーを外した瞬間から、相楽さんに『迎えに行く』って選択肢はなかったんだ。
優しい相楽さんのことだ。
わたしが相楽さんを『好き』と言ったから、気持ちに応えられない代わりにと、同情して逃してくれたんだと思う。
それとも……わたしの気持ちが鬱陶しかったから、手放したのかな……。