魅惑の絶対君主
「学校行かせてほしい?」
「え……、と、だって、急に来なくなったら不審に思われ──」
「テキトウに病気の診断書偽造って休学させた流れで三ヶ月後に退学に持ち込む想定だったんだけど」
「………」
……なるほど。
怪しまれないように予め手は考えてあったんだ。さすが抜かりがない。
「それでも学校には……行きたいです」
「へー。好きな男でもいんの?」
「そういうんじゃ、ないですけど……大事な友達が、いて」
真っ先にレオくんの顔が思い浮かぶ。
わたしが急に休学になったら戸惑うだろうし、不安にさせてしまうのも目に見えてる。
それに……。
「せっかく入った高校だし……。合格したとき、お母さんも喜んでくれたし……」
彼は極めてどうでもよさげにわたしの話を聞いていた。
しまった。
従順になるって決めたばかりなのに、ついわがまま言っちゃった……。