魅惑の絶対君主
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そこは想像よりも遥かに広い空間だった。


パーティー会場のように、丸いテーブルが等間隔に並び、一席に三人ずつ座っている。

そして、そこに座る全員が仮面を付けていた。


目元が隠れるハーフタイプのそれは仮面舞踏会を彷彿させるけど、どう見ても、今から踊りますよ、みたいな明るい雰囲気じゃない。


ざっと見た感じ100人くらい。

内、ほとんどが男性。


異様な光景だった。

映画か何かの世界に迷い込んだような錯覚に陥る。


ちゃんと現実……だよね?

不安になって、つい相楽さんに体を寄せてしまう。



彼らは正面のステージをじっと眺めて、何かを待っている様子だった。

わたしもつられて真っ暗なステージを凝視していると、間もなくパッとライトがついて。


急な光に目が眩み、一度瞬きをする。


ゆっくりと開いた直後──息を呑んだ。


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