魅惑の絶対君主
檻の中
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目を開けると、白い天井があった。
なんの変哲もない無機質な天井は住んでいたアパートのものによく似ていて。
……やっぱり、夢、だったんだ。
と、微睡みの中でひどく安心した。
けれど、次第に頭が覚醒して、はっともう一度瞼を開く。
……違う。
わたしのアパートの部屋じゃない。
こんな間接照明はなかったし、今わたしが寝ているのも布団じゃなくベッド。
すぐにオークションの光景が蘇る。
相楽さんに連れられて行った高級会員制バー。
その地下にある会場で、女の子が落札されるのを見た。
それから、だんだん気が遠くなって……。
わたし、倒れちゃった……のかな。
そもそも、本当に現実だったのかな。
人身売買がこんな身近で行われてるなんて、にわかには信じられない。
この目で確かに見たはずだけど、脳裏に流れる映像は霧がかかったようにぼんやりしている。