魅惑の絶対君主


「さっきから何」



低い声がして、びくっと肩が跳ね上がる。


え……っ?


瞬きと同時に視線を切り替えると、寝起きで不機嫌なアーモンドアイが、わたしを睨みつけていた。



“さっきから何”……とは、何?


わたしはまだ相楽さんと同じブランケットの中で横になっている状態。

起き上がってもないし、声を出したわけでもない。


何も……してないはず。



「……おはよう、ございます」



とりあえず挨拶をした。

ブランケットの中だから篭ったような声になる。



「よく寝れた?」

「あ、はい……。えっと、相楽さんいつから起きてたんですか」


「んー……どうだっけ。ブランケットかけてくれたのは知ってるよ」

「っ、ずっと寝たふりしてたんですかっ?」


「いやまだ眠かったから目閉じてただけ」



首のあたりからぐわぐわ熱くなっていく。

それって寝たふりと変わんないじゃん……!


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