魅惑の絶対君主


胸を貫かれるような衝撃だった。


GPSがわたしの体に仕込まれてる。

つまり、位置情報がリアルタイムでバレバレ……!


またたく間に血の気が失せていく。



「わたしの体のどこにGPSがあるんですか?」

「まさか教えてもらえるとでも?」


「……あ、たしかに」

「なんてね。鏡見たらわかるよ」


「えっ」



目に見えるところに付いているとでも言うんだろうか?

てっきり、皮膚にチップが埋め込んであるんだと思ったけど……。



「鏡、見てきてもいいですか?」

「どうぞお好きに」



一応許可を取ってから洗面台へ向かう。


いざ鏡の前に立った瞬間、GPSを探すより先に髪の毛がボワッと盛り上がっていることに気づいて、思わず声を上げそうになった。


寝癖……っ、ついてたんだ!


すぐさま水で濡らして押さえつける。

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