好きを君に。
「桐野の家ってどのへんなの?」
「イオンの近くだよ」
「え? そうなの? いいなー」
遊ぶところが少ないので、基本的にイオンに集まるあたしたちにとっては近いことは最高に羨ましい。
「高坂は?」
「イオンからだと自転車で5分くらいかな?」
「イオンでいわなくていいけど」
桐野がくすくす笑いながらいうので、あたしもつられて笑う。
「受験やだなー」
あたしは伸びをしながら、家に帰ってから机に向かわないといけないことを思うと憂鬱になった。
「……もう少し、俺と時間潰す?」
立ち止まった桐野を振り返ると、あたしは一瞬ドキリとした。
桐野の目が真剣に見えたからだ。
でも次の瞬間には爽やかな笑みを浮かべたいつもの桐野がいた。
「時間潰すっていっても公園で缶ジュース買うくらいだけど」
「そんなことしたら寒いし風邪ひいちゃうよ」
「正論」
ケラケラ笑う桐野に、さっきの顔はなんだったんだろうとドキドキした。
「家帰って勉強するかー」
首を回しながらつぶやいた桐野に、そうだね。とあたしも頷く。
「あ、あたし、ここの信号渡るから」
「おう。じゃあ、また明日な」
「うん。ばいばーい」
「じゃあな」
桐野に手を振って、信号が青になったのであたしも家へと向かった。
「帰ったら勉強かあ……」
考えるだけでやる気がなくなるけど、あと少しだし頑張らないとと気合いを入れる。
……藤崎は、千香とどんな話をしたのかなあ。
頭の片隅にある二人のことを思いながら、あたしは家に帰ったのだった。
「イオンの近くだよ」
「え? そうなの? いいなー」
遊ぶところが少ないので、基本的にイオンに集まるあたしたちにとっては近いことは最高に羨ましい。
「高坂は?」
「イオンからだと自転車で5分くらいかな?」
「イオンでいわなくていいけど」
桐野がくすくす笑いながらいうので、あたしもつられて笑う。
「受験やだなー」
あたしは伸びをしながら、家に帰ってから机に向かわないといけないことを思うと憂鬱になった。
「……もう少し、俺と時間潰す?」
立ち止まった桐野を振り返ると、あたしは一瞬ドキリとした。
桐野の目が真剣に見えたからだ。
でも次の瞬間には爽やかな笑みを浮かべたいつもの桐野がいた。
「時間潰すっていっても公園で缶ジュース買うくらいだけど」
「そんなことしたら寒いし風邪ひいちゃうよ」
「正論」
ケラケラ笑う桐野に、さっきの顔はなんだったんだろうとドキドキした。
「家帰って勉強するかー」
首を回しながらつぶやいた桐野に、そうだね。とあたしも頷く。
「あ、あたし、ここの信号渡るから」
「おう。じゃあ、また明日な」
「うん。ばいばーい」
「じゃあな」
桐野に手を振って、信号が青になったのであたしも家へと向かった。
「帰ったら勉強かあ……」
考えるだけでやる気がなくなるけど、あと少しだし頑張らないとと気合いを入れる。
……藤崎は、千香とどんな話をしたのかなあ。
頭の片隅にある二人のことを思いながら、あたしは家に帰ったのだった。