好きを君に。
二人でそのままバス停を通り過ぎて歩く。
もし受かれば、春からここが通学路になる。
高校生の自分なんてまだ想像できないなあ。
「テストいけた?」
「結構できたような気がする」
「お、自信たっぷり」
「たっぷりってほどじゃないけど。桐野は?」
「俺もまあまあかな。理科は死んだかも」
腕組みをしながら天を仰ぐ桐野に、理科の出来は自信がないあたしは少し安堵する。
「あたしも理科自信ないな。英語は?」
「英語はリスニング以外はいけたかな?」
「リスニングあたしもダメだったー。他もあんまだけど」
「英作文は無理かも」
英作文の問題は、あなたと同じ高校に通いたいを書け、だった。
「あたし、I wantとhigh schoolしか書けなかったよ。部分点狙い」
「俺もそんな感じ」
お互いの答えを言い合いながら歩く帰り道は、受験が終わった解放感もあって心が穏やかだった。
気付けばほとんど帰ってきて、合格祈願の時に分かれた信号にもうつきそうだった。
「あのさ」
会話の途切れたときに、不意に桐野が大きめな声をだした。
「高坂、もう体調大丈夫?」
なんだか緊張しているような声色に、あたしは不思議に思いながら頷く。
「うん、もう平気だよ」
「じゃあさ、俺と少し時間潰さない?」
「……え?」
「公園で、缶ジュースでも買ってさ」
それは、合格祈願をしたあの日。
受験やだなあーとつぶやいたあたしに、桐野が見たことのない真剣な目であたしをみて、そう聞いた。
その時の目が、あたしをまた見つめている。
あのときは、さすがに風邪ひくよ、と断ったけど、今は。
「今日暖かいしさ。お疲れ会、どう?」
答えを窮したあたしに、いつもの爽やかな笑顔を浮かべながら付け足す。
少し迷ったけれど、断る理由も浮かばなくて、あたしはいいよ。と答えた。
もし受かれば、春からここが通学路になる。
高校生の自分なんてまだ想像できないなあ。
「テストいけた?」
「結構できたような気がする」
「お、自信たっぷり」
「たっぷりってほどじゃないけど。桐野は?」
「俺もまあまあかな。理科は死んだかも」
腕組みをしながら天を仰ぐ桐野に、理科の出来は自信がないあたしは少し安堵する。
「あたしも理科自信ないな。英語は?」
「英語はリスニング以外はいけたかな?」
「リスニングあたしもダメだったー。他もあんまだけど」
「英作文は無理かも」
英作文の問題は、あなたと同じ高校に通いたいを書け、だった。
「あたし、I wantとhigh schoolしか書けなかったよ。部分点狙い」
「俺もそんな感じ」
お互いの答えを言い合いながら歩く帰り道は、受験が終わった解放感もあって心が穏やかだった。
気付けばほとんど帰ってきて、合格祈願の時に分かれた信号にもうつきそうだった。
「あのさ」
会話の途切れたときに、不意に桐野が大きめな声をだした。
「高坂、もう体調大丈夫?」
なんだか緊張しているような声色に、あたしは不思議に思いながら頷く。
「うん、もう平気だよ」
「じゃあさ、俺と少し時間潰さない?」
「……え?」
「公園で、缶ジュースでも買ってさ」
それは、合格祈願をしたあの日。
受験やだなあーとつぶやいたあたしに、桐野が見たことのない真剣な目であたしをみて、そう聞いた。
その時の目が、あたしをまた見つめている。
あのときは、さすがに風邪ひくよ、と断ったけど、今は。
「今日暖かいしさ。お疲れ会、どう?」
答えを窮したあたしに、いつもの爽やかな笑顔を浮かべながら付け足す。
少し迷ったけれど、断る理由も浮かばなくて、あたしはいいよ。と答えた。