好きを君に。
＊

「ひまだなあー」
伸びをして、欠伸をかみ殺す。

勉強をしなきゃということがなくなって、いざなんでもしてもいいとなるとすることがない。
春休みには予定いれたりしてるけど、卒業式までのことは考えてなかったなあ。

「……イオンでも行こうかな」

そういえば、来週って千香の誕生日だ。
プレゼント、買っとこうかな。

予定を決めたあたしは、私服に着替えて外に出た。

「あ、自転車パンクしてたんだった……」
外に出て自転車を見てから、パンクしてたことを思い出す。
お母さんが日曜日に修理に出すって言ってたっけ。

「……じゃあ歩くか」
徒歩でも20分くらいだし、時間つぶしにはちょうどいいかもしれない。

あたしは徒歩で向かうことにして、イオンへ向かった。
あたしたちが住む市で一番大きなショッピングモールなので、平日といっても人は結構いる。
中学三年生くらいの学生もちょこちょこ見かけた。

あたしは文房具や雑貨屋さんで千香の誕生日プレゼントを見繕う。
ああみえて犬が好きだから、あたしが選ぶものは自然と犬のイラストが書いてあるものが多い。
感情表現豊かに喜ぶタイプでもないけど、渡したものは学校生活でわりと使ってくれてるから気に入ってくれてると信じたい。

色々見て、結局ポーチとハンカチを買った。
ついでにシャーペンの芯とかルーズリーフとか、自分の買い物もして、気づけば二時間近くたっていた。

「帰ろっかな」

買いたいものはなかったか再度考えて、やっぱりないなと結論がでたので、外に出た。
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