好きを君に。
「エーデルワイスがあなたに少しだけでも、なにか勇気を与えてくれますように」
お姉さんの言葉はあたしはドキッとさせた。
「余計なお節介だったらごめんなさい。そんな気がしたのでつい」
「いえ。ありがとう、ございます」
あたしはエーデルワイスの花を見つめながらお姉さんに小さく笑った。
不思議なお姉さんだな。まるで全部知ってるみたいだ。
もしくは、あたしが人から見てわかるくらい落ち込んでたから花言葉になぞらえて元気づけてくれたのかな。
「あの、また、きます。今度は、お花を買いに」
そういったあたしに、お姉さんは花が開いたようににっこりと笑った。
「はい。お待ちしております」
家に帰ったあたしは、一輪挿しにエーデルワイスの花を飾った。
エーデルワイスを見つめながら思い出すのは、「勇気」という花言葉だった。
”俺がさ、高坂のこと、好きだからだよ”
”あんたの気持ちしってて、告白してくれたんでしょ?”
”それってすごく勇気のいることなんじゃない?”
桐野と千香の言葉を思い出す。
桐野は、あたしに告白してくれた。
あたしの気持ちを知ってても、それでも。
あたしにはない、勇気をもっていた。
あたしは、なにかしたのかな?
藤崎に好きになってもらう努力。
藤崎に告白するための努力。
”手遅れになる前に、俺を見てほしかった”
桐野は、桐野はまっすぐにあたしに想いを告げてくれた。
ただ、現状に甘えて関係を壊すのが怖くてなにもできないあたしと違って。
あたしはこの想いを手放す勇気ももてないのに。
あたしがしたのは感情的に藤崎に想いをぶつけただけ。
藤崎からしたらただ友達に協力してるだけなのに、突然キレられて意味不明だよね。
このまま、藤崎と気まずいまま卒業なんて、嫌だな。
"……もういっそちゃんと告白すれば?"
それが一番いいことはわかってる。
千香に言われた時は勇気がもてないし、覚悟もないって思ったけど。
”好きな人には、自分の気持ち知っててほしいじゃん!”
”好きな人とは一緒にいたいし、笑い合いたいし、そばにいたくない?”
振られるかもしれないのに告白すると言いきった千紗ちゃんを思い出す。
まっすぐに揺るぎなく想いを伝えると言った千紗ちゃん。
そうだよね。
あたしも好きな人には自分の気持ち知ってほしいし、この先もずっとそばにいたいよ。
「勇気、もてますように」
あたしはエーデルワイスに両手を合わせて祈った。
でも。
結局勇気が出せずに藤崎と話すタイミングもないまま、卒業式の日を迎えてしまうのだった。
お姉さんの言葉はあたしはドキッとさせた。
「余計なお節介だったらごめんなさい。そんな気がしたのでつい」
「いえ。ありがとう、ございます」
あたしはエーデルワイスの花を見つめながらお姉さんに小さく笑った。
不思議なお姉さんだな。まるで全部知ってるみたいだ。
もしくは、あたしが人から見てわかるくらい落ち込んでたから花言葉になぞらえて元気づけてくれたのかな。
「あの、また、きます。今度は、お花を買いに」
そういったあたしに、お姉さんは花が開いたようににっこりと笑った。
「はい。お待ちしております」
家に帰ったあたしは、一輪挿しにエーデルワイスの花を飾った。
エーデルワイスを見つめながら思い出すのは、「勇気」という花言葉だった。
”俺がさ、高坂のこと、好きだからだよ”
”あんたの気持ちしってて、告白してくれたんでしょ?”
”それってすごく勇気のいることなんじゃない?”
桐野と千香の言葉を思い出す。
桐野は、あたしに告白してくれた。
あたしの気持ちを知ってても、それでも。
あたしにはない、勇気をもっていた。
あたしは、なにかしたのかな?
藤崎に好きになってもらう努力。
藤崎に告白するための努力。
”手遅れになる前に、俺を見てほしかった”
桐野は、桐野はまっすぐにあたしに想いを告げてくれた。
ただ、現状に甘えて関係を壊すのが怖くてなにもできないあたしと違って。
あたしはこの想いを手放す勇気ももてないのに。
あたしがしたのは感情的に藤崎に想いをぶつけただけ。
藤崎からしたらただ友達に協力してるだけなのに、突然キレられて意味不明だよね。
このまま、藤崎と気まずいまま卒業なんて、嫌だな。
"……もういっそちゃんと告白すれば?"
それが一番いいことはわかってる。
千香に言われた時は勇気がもてないし、覚悟もないって思ったけど。
”好きな人には、自分の気持ち知っててほしいじゃん!”
”好きな人とは一緒にいたいし、笑い合いたいし、そばにいたくない?”
振られるかもしれないのに告白すると言いきった千紗ちゃんを思い出す。
まっすぐに揺るぎなく想いを伝えると言った千紗ちゃん。
そうだよね。
あたしも好きな人には自分の気持ち知ってほしいし、この先もずっとそばにいたいよ。
「勇気、もてますように」
あたしはエーデルワイスに両手を合わせて祈った。
でも。
結局勇気が出せずに藤崎と話すタイミングもないまま、卒業式の日を迎えてしまうのだった。