緒臣くんのキケンな誘惑。




「…?緒臣くん……?」

「っほんと、紫夕って……」

「え?なーに?」

「……ばーか」


ば、ばか……っ!?

突然の悪口になぜ!?と思い緒臣くんを見ると。
緒臣くんは少し頬を染めていた。

……っ、え、え?
なに……照れてるの……?なんで……?

顔を隠すように手で覆っている緒臣くんを見て、なぜか私もつられてブワッと顔が赤くなってしまった。


「…俺、紫夕のこと困らせないようにじわじわと行こうと思ってたんだけど……」

「……?」

「やっぱ無理。遠慮なく攻めるから」

「え、え……?」


緒臣くんの言葉の意味が分からずに、困惑してしまう。

……わからない、はずなのに。
緒臣くんの瞳も言葉も行動も、なぜか危険な気がしてゾクッとする。


いつの間にか家の前について緒臣くんと向かい合う。

ドキドキと心拍数が上がって、わけも分からず体温が上がる。

そんな私を見た緒臣くんは、余裕そうな顔をして笑って。


「覚悟してね?」

「ひゃ……!?」


私の右頬を包み込むと、グイッと距離を近づけて耳元でそう言った。
その瞬間に広がった緒臣くんの香りにクラクラ。


……っ、刺激強すぎるよ緒臣くん……!!



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