緒臣くんのキケンな誘惑。
「夢か……」
はぁ……とため息をついて時間を確認すると、いつもよりも三十分早く起きてしまったようだった。
……また、みーちゃんの夢……。
二回目のみーちゃんの夢に、少し不思議に思いながらも身体を伸ばす。
起きよう……今ここで二度寝したら絶対寝坊する……。
そう思ってゆっくり身体を起こす。
今日のみーちゃんの夢も、あれは夢ではなく記憶だった。
段々思い出されていく小さい頃のこと。
「んー……」
ぐーっと身体を伸ばして、ふうっと力を抜く。
なんで最近昔の夢ばっかり見るんだろう……。
ベッドから出て制服を取り出して着替えながらそんなことを思う。
部屋を出て階段を下りてリビングに行く。
「おはよう……」
「あれ?起きるの早くない?」
「うん、なんか起きちゃった」
「ふーん、おはよう。ちょっと待って今ご飯並べるから」
「はーい……」