緒臣くんのキケンな誘惑。
リビングを開けるとキッチンにお母さんが立っていて。
私を見て驚きながらも、ご飯をよそってくれている。
「いただきます」
テーブルの上に並んだ朝ご飯に、手を合わせてそう言って食べ始めた。
しばらくして食べ終わり食器を片して洗面所に向かう。
いつもより三十分も早く起きたから時間ありすぎるなあ……。
鏡と向き合ってそう考えながら、日焼け止めを顔に塗る。
「よーしっハーフアップでもしーちゃおっ」
三面鏡を丁度いい位置に動かしながら、そう思って声に出す。
そして髪をハーフアップで結んで、アイロンを温める。
髪を結んだあと、軽くアイロンで毛先を内巻きにして。
その後いつもの様に前髪をアイロンで通して納得いくまで整えた。
洗面所から出て鞄の置いてあるリビングに戻ると。
「今日はハーフアップしたの?」
「うん、時間あったから」
お母さんが私を見てそう話しかけてきた。
久しぶりに朝時間あったし!
いつもドタバタだから余裕がすごい。