緒臣くんのキケンな誘惑。




なに焦ってんの私…!!

と思い、そう言い捨てて急いで家を出た。



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学校まで歩いて門まで来る。
いつもよりも早いせいか人が少なく感じて、視線にビクビクする必要もあまりない。

なんて思いながら門をくぐって玄関まで歩くと。

……あ、音寧と愛海だ!


私の少し前を歩いている二人を見つけて、二人に追いつこうと走る。


「ねーね!あーみ!」

「うわっ!?え、紫夕?」

「びっくりした…紫夕か……」

「おはよ!」


二人の名前を後ろから呼んだ私に、驚いて振り返る二人。

私がおはようと言うと二人も驚きながらおはようと返した。


「…?なんで今日こんな早いの?」

「あれっ、紫夕今日可愛い!!ハーフアップだ!!」

「そう!めっちゃ早起きしちゃって」


そう言った私に、なるほどと頷いた音寧と愛海。




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