緒臣くんのキケンな誘惑。




話しながら校舎に入り靴を履き替えて教室まで向かう。




教室に入り、席の遠い音寧は自分の席に荷物を置いてから私の席のところに来た。


「うんうん、可愛いじゃーん!内巻きもしちゃって〜」

「天沢くんに見てほしいね」

「な…っ!?緒臣くんのためにしたわけじゃないよ……!?」


ニコニコしながら私を見る二人に、かああっと顔が赤くなってしまう。
なんでもかんでも緒臣くんに結び付けないで!?


「てか紫夕が早起きって珍しくない?いつも寝坊でしょ」

「ちょっと、いつもとか言わないで?いつもじゃないから」

「高校二年目にして初めての早起きじゃん」

「バカにしすぎでは?」


私のことなんだと思ってるの……。
はぁ、とため息をついて二人に目線を送る。


「夢見て、早く起きちゃったんだよね」

「夢?」

「そう!夢というか、私の小学生の時の記憶なんだけど」

「なにそれなにそれ!!」




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