緒臣くんのキケンな誘惑。
「次の授業なんだっけ」
「英語」
「うわー……」
四人の中で誰よりも顔を歪めたのは音寧で。
音寧英語苦手だからな……と苦笑いする。
「てかさ、昨日の天沢くんとの帰り、どうだったの?」
ハッとしたような顔でそう聞いてきた愛海に、他二人の目がわかりやすく輝いて。
「そうじゃん!紫夕の早起きに気取られてて忘れてた!!」
「聞きたい!!」
「えっ、いや、」
その勢いに戸惑いながらも、少しドキッとしてしまう。
聞きたいって言われても……なにを言えば……。
なんて、返答に困っていた時。
「秘密、だよね?」
「……っわ」
座ったまま後ろから誰かに手を回されて、驚いてしまう。
な、なに……っ!?
抱き寄せられているような体勢になり、驚いて後ろを向くと。
「っ、緒臣くん……!?」
そこには、私を見て微笑む緒臣くんがいて顔が熱くなってしまう。
な、な、なにこの体勢……っ!?