緒臣くんのキケンな誘惑。
目の前の三人は目を見開いて、周りにいるクラスの子たちは一瞬にしてザワっとした。
「…髪、可愛いね」
「っ、あ、ありがとう……っ!あの…っ、」
「どうかした?」
「離してもらえると……っ」
「……」
なぜ黙る……っ!?
離してと言うと黙り込んでしまった緒臣くんに、心の中でパニックになる。
近いし、視線めっちゃ感じるし……!!
「じゃあ場所変える?」
「え……?」
「可愛すぎて周りの人に見られたくないし」
「いや、そこまで言うほどでは……」
「だめ?俺、紫夕と二人になりたいな……」
「ぐ……っ」
わざとだってわかってる。
でも、私緒臣くんにそんな顔されたら断れないよ……!
誘惑しないで、私断れないから……!!
「紫夕のことは自由に連れてっちゃってください」
「ぜんっぜん大丈夫なんで!紫夕もきっと満更でもないんで!」
「じゃあ紫夕、楽しんでおいでー」