緒臣くんのキケンな誘惑。
危険
……。
…………あれ?
次の日の朝、早起きすることができなかった私は普段と同じ時間に登校している。
玄関までの歩く道のりで、私はいつも通り周りからの視線に耐えていた。
……でも、いつもと違う。
視線を送られることは変わらないのに、コソコソ話や悪口がないのだ。
いや、ないに越したことはないんだけど……。
ちらりと周りを見ると、気まずそうに顔を逸らす人達。
え、なに……?逆に怖いかも……。
周りの変化に内心驚きながらも、玄関で靴を履き替える。
そのまま教室に向かおうと歩き出した時。
「……!千夏ちゃん……!!」
「…おはよう、紫夕」
千夏ちゃんがこっちに歩いてきているのが見えて思わず名前を呼んでしまった。
すると、私を見た千夏ちゃんは私の目の前で立ち止まって。
「なんだか千夏ちゃんに会うの久しぶりに感じる」
「この間からそんな経ってないでしょ」