緒臣くんのキケンな誘惑。




────────────────



「いやー、サボったりしないでよく来たな」

「…サボりたかったです……!!」


職員室に行って先生に声をかけると、先生は私を資料室まで連れてきた。

今すぐ帰りたいです……!なんて思いながら、先生の背中を軽く睨みつける。


資料室を開けて、先生に続いて私も中に入る。

……誰か、いる?


すると、資料室の奥の方に一人、男の人の影が見えた。
先生も人がいることに驚いたのか奥を見ていて。

男の人はこちらに気づいて、私たちの方に振り返った。


「…ああ、宮川(みやかわ)か?なにしてるんだここで」

「うーん、サボってたってとこ」

「…まあ別に構わないが、今からここ使うぞ」

「どうぞお好きに〜」


別に構わないんだ……。教師なのにいいの……?

先生はサボってたであろう男の人と話していて、心の中でツッコんでしまう。




< 129 / 214 >

この作品をシェア

pagetop