緒臣くんのキケンな誘惑。
ていうかこの人……めっちゃ顔綺麗じゃない……?
男の人を見て、一瞬見惚れてしまうぐらいには凄く美少年だ。
ネクタイの色から三年生……てことは先輩だ。
気まずいな……この状況。
「音葉、このダンボールから教材をだしてクラス分まとめてほしいんだ」
「え……これを?」
「めんどくさいとは思うが、頼む」
「……ちなみに先生は?」
「俺は……まあ別の仕事が溜まってて。ほんとに溜まりに溜まってて申し訳ないが……」
「……」
最悪だよ……!!!!!
先生のげっそりした顔から見るに、嘘ではないんだろうけど。
でも、ダンボール四つあるよ……!?
これを私一人で……!?絶対おかしいよね……!!
あからさまに嫌そうな顔をする私に、先生はハッと思いついたような顔をして。
「そうだ、音葉だけじゃないぞ!ここにもう一人いるだろ!」
「え?」「は?」
「宮川手伝ってくれ、サボってるぐらいだし暇だろお前」
「……なんで俺?」