緒臣くんのキケンな誘惑。




先輩の方を見て言う先生の提案に私も先輩も呆然とする。

いや……それはそれで私が気まずいかもです先生。


「お願いだ!ていうことで、よろしく頼んだぞ音葉!」

「ちょ……っ」


強引にそう言い放って行ってしまう先生に、ポツンと置いてけぼりにされる。

……ひぇ〜っ嘘でしょ……っ!!そんなことある……!?

驚きながらダンボールに目を移して、その量を見ると無意識にため息が出てしまった。

と、とりあえずダンボール開けて中身取り出さないと……っ。

なんて思ってダンボールに手を伸ばすと、目の前に影が出来てふと顔を上げた。


「あ……」

「はぁー、めんどくさ。これをやればいいの?」

「え……手伝って、くれるんですか?」

「さすがにこれを一人でやるのは酷でしょ」

「あ、ありがとうございます……」


先輩がダンボールを見てめんどくさそうな顔をしながら手を伸ばしていて。

まさか、手伝ってくれるとは思わずに驚いてしまう。




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