緒臣くんのキケンな誘惑。
千夏ちゃんがなんで急に……?
すると先輩は作業を止めて私の方を見た。
……うわ、すっごい美形だなこの人……。
なんて思いながら吸い込まれるように先輩の目を見てしまう。
「俺千夏の幼なじみなんだよね」
え……。
「ええ……っ!?」
「最近千夏丸くなったなって思ったら、紫夕が関わってたんでしょ?千夏がそんなようなこと言ってて、何となく紫夕の名前知ってただけ」
「お、幼なじみさん……なんですか……」
「千夏元々天沢のこと好きだったしなー……あ、俺は宮川紫月(みやかわ しづき)。宮川呼びは先生しかいねえから紫月でいいよ」
「紫月先輩……」
まさかのすぎる……千夏ちゃんの幼なじみなんて!!
なんだか急にさっきまでの緊張感が解けて、心の中で息を吐く。
紫月先輩はまた作業を再開して、先輩の手元にあるダンボールを全て開封していた。
「ダンボールは指切ると危ないから俺がやるわ。紫夕は俺が出した教材まとめててよ」