緒臣くんのキケンな誘惑。




なんでだろう……なんて思いながら二年の階に着き四組の前を通ると。


「……え?」


四組に、机に突っ伏している人影が見えてピタッと足を止めてしまう。

……まさか……いや、そんなはずは……。
だって、帰ったはず。
でもあの人影見覚えが……。


なんて思いながらそこに近づこうと教室に入ると。


「……緒臣くん?」


……やっぱり、どっからどう見ても緒臣くんだ。

私が声をかけても反応はないので、本当に寝ているよう。
……まさか、待っててくれたの?


反対側に回ると、緒臣くんの寝ている顔が見えてそこに近づく。

その姿を見て心臓がドキドキとうるさくなる。

ね、寝てる……寝顔綺麗すぎる……。

貴重な寝顔に時が止まったかのように見惚れてしまう。


「お、緒臣くーん……」

「……」


……だめだ、起きない。

名前を呼んでみるけど、返事はないし目も開かない。





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