緒臣くんのキケンな誘惑。




ど、どうする……?でもこんなに気持ち良さそうに寝てるし……。


帰るためには起こさなきゃいけないのに、このままの状態でいたい自分もいて。

緒臣くんに合わせて屈んで顔を覗き込んでみる。
……寝てるから、じっと見ても大丈夫だよね……?


髪サラッサラ……まつげ長……。
女子が羨ましがるような要素を持ってて、心の中でため息をついてしまう。


……髪触りたいな。
なんて欲も出てきてしまって、必死に抑えようとする……のに、無意識になぜか私の手は伸びていた。


「…綺麗……」


そう、声が漏れてしまった時。


「…ふっ、見すぎだよ」


緒臣くんの目は閉じられたまま、口角が上がってそう声を発した。

へ……っ!?
まって、起きたの……っ!?


それに驚いて、伸ばしていた手をパッと引っ込めようとしたけど。
緒臣くんは目を開いてすぐ、私の手をパシッと掴んだ。


「…っ、ひぇ……っ!」




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