緒臣くんのキケンな誘惑。
そのまま軽く私を引っ張り、突っ伏した緒臣くんの顔と私の顔の距離は息がかかるぐらい近くなって。
ち、近すぎるよ……っ!!
「この手はなーに?」
「っ、ぁ、あの……っ、」
「ん?言わなきゃわかんない」
「……っ、ぅ」
あまりの近さに顔が蒸発しそうなぐらい真っ赤になって口をパクパクしてしまう。
軽くパニックになった私にクスッと笑った緒臣くんは、突っ伏していた顔を起こして私を見下ろした。
「耳まで真っ赤じゃん」
「ぅ、それは、緒臣くんが急に……っ」
「可愛い。甘すぎだよ紫夕」
「…〜〜っ!」
緒臣くんを見上げる形で、少し悔しくなりながらも恥ずかしさでいっぱいになる。
ほんと意地悪だよ……っ、楽しそうに笑わないで……っ。
緒臣くんは掴んだ私の手を離さないまま、また迫ってきて。
「この手でなにしようとしてたの?」
「な、なにって……っ、」
「紫夕って意外と大胆?」
「ち、違……っ!!髪触りたくて……!!」