緒臣くんのキケンな誘惑。




正直なところ、なぜかわかんないけど行きづらいし。

すると、このタイミングでチャイムが鳴って芹奈と音寧は心配そうに私を見ながら席を離れていった。



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……やっぱり、無理。
どんどん痛みが増す一方で限界に近づいてきている。

授業が終わって休み時間になった瞬間、私はガタッと席を立った。


「紫夕?」

「…やっぱり湯たんぽもらってくる」

「一緒に行こうか?」

「ううん、大丈夫」


席を立った音に反応して愛海が後ろを振り返って。

愛海が着いていこうとしてくれたが、そこまで遠くないから大丈夫だと断った。

私の顔色を見て心配そうにしながら「行ってらっしゃい」と行った愛海にぎこちなく笑って手を振った。



教室を出て長い廊下を歩く。
休み時間だからちらほら人の姿があって。

なるべく端っこによりながら保健室までの道のりを歩く。




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