緒臣くんのキケンな誘惑。
でもでもでも、これが幼なじみの距離感……っ!!
紫月先輩の想いも私は知ってるから余計口角が上がってしまう。
千夏ちゃん満更でもなさそうですよ、紫月先輩……!
「あ、てかこないだ俺が手伝った日、あの後天沢と帰ってたでしょ」
「え……っ!?」
「俺たまたま見ちゃった」
「あ、それは、その、待っててくれて……」
「へぇ〜そっかそっかあ」
そんな私の言葉にニコニコする紫月先輩に、恥ずかしくなってしまう。
すると、千夏ちゃんが紫月先輩の横っ腹を肘で叩いて。
「ちょっと、紫夕を困らせないでよ」
「痛ぇ!」
「ほら行くよ。じゃあね紫夕」
「あ、うん!ばいばい!」
私に手を振りながら、紫月先輩の腕を引っ張って千夏ちゃんは去っていって。
その楽しそうな後ろ姿を見ながら私も手を振る。
……千夏ちゃんのあの笑顔引き出せるの紫月先輩だけな気がしますよ……!