緒臣くんのキケンな誘惑。
……っ、やばいかも。
歩く度にズンズンと痛みが重くなってきて。
身体を支えることすらも大変になってきていた。
なんとか階段にたどり着き、階段をゆっくりと下りる。
……なんで生理痛の痛みってこんなにも下半身が重くなってくるんだろう。
今までこんなにも痛くなったことはなく、冷や汗が出てくる。
階段を下りることができても、その先の長い廊下を歩かなくては保健室に辿り着かない。
「はぁ……っはぁ……っ」
壁にもたれかかりながら歩くけど、どんどん悪化していくのがわかって。
目眩もしてきた……。
初めてのことに頭が回らなくなるほど焦っているのがわかる。
「…っ、なんでこんな日に限って……っ」
薬、持ってきてないのよ……っ。
その瞬間、急に身体の力が抜けたかと思うと目の前がどんどん暗くなっていった。
……っ、あ、だめだこれ、倒れる。
自分に置かれた状況を察して、無理だ、と踏ん張る気力すらでなかった。