緒臣くんのキケンな誘惑。



「ただの、紫夕と仲良い先輩ですよ〜。ねぇ?紫夕」

「し、紫月先輩……?」

「…もういい」

「…っ、わ…っ!緒臣くん…っ!」


紫月先輩の謎の挑発的な態度に思わず顔が引きつってしまう。
ちょ、ちょっとなんなのこの人……!今余計なこと言わないで……!

ただ楽しんでるであろう紫月先輩に困惑していると。

緒臣くんがボソッと呟いて私の手を引っ張って歩き出した。


それに驚いてされるがままの私は、バッと後ろを振り向いて紫月先輩を見る。
すると、紫月先輩はさっきの表情とは違ってニコニコしながら私に手を振っていて。

演技派……っ!!許さないですから……っ!

と焦りながらギロっと睨んでやった。


────────────────


─────ガラッ…バタンッ


いつもの非常階段ではなく、静かな場所の教室に入り緒臣くんはドアを閉める。

こ、これは……どうすれば?
緒臣くんはこの間ずっと無言……相当不機嫌なんじゃ……!



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