緒臣くんのキケンな誘惑。
ドアを閉めた緒臣くんは無言無表情のまま私に近づいてきて焦る。
「お、緒臣く…っ」
「……誰あれ」
「…っへ」
私の目の前に来た緒臣くんは、重い口を開いてそう聞いてきて目を見開く。
なんか…っ、近……っ?
「せ、先輩…だよ?」
「なんで仲良いの?いつから?」
「えっと…こないだ係の仕事で放課後残った時、手伝ってくれて……」
「…俺が紫夕のこと待ってた日?」
「そう…!」
緒臣くんが思い出したようにそう言って、勢いよく頷く。
な、なんか……いつもと様子が全然違うよ……っ。
私を見つめる瞳にドキッとしながらも危険を感じる。
「あ、あの……緒臣くん?」
「…紫夕のせいで狂いそうだよ」
「へ…?わ…っ」
緒臣くんを見上げて名前を呼ぶと、少し顔を歪めた緒臣くんはそのまま私の腰に手を回して引き寄せてきた。
すっぽりと緒臣くんの腕の中にハマってしまって心拍数がどんどん上がっていく。