緒臣くんのキケンな誘惑。
「こ、この手は……っ?」
「……食べちゃいたいね」
「…っ!?」
「…冗談だよ」
両手使えない私と私の頬を触る緒臣くん。
それに困惑して緒臣くんを見つめると。
緒臣くんは、冗談とは思えないような表情でそう言った。
ほ、ほんとに冗談……だよね?
色気を含んだ読めない瞳で私を見つめる緒臣くんに、なんだか心の中がムズムズしてしまう。
耐えられないよ……っ!!
「ずっとこうしてたい」
「…っ授業始まっちゃうよ…!」
「やだ」
「え…っ!?」
チラッと時間を見ると、授業までの時間が迫ってきていて。
そう言うと、緒臣くんは駄々をこねるように私のお腹に抱きついてきた。
わ、わわわわ……っ!!
この体勢で抱きしめられるのは、恥ずかしいよ……っ!!
「…学校終わったら早く帰ろう」
「え?」
「学校にいると疲れる」
「あ……」