緒臣くんのキケンな誘惑。




ピタッと石のように固まってしまう。

な、なに、近くない……っ!?
かああっと身体に熱が溜まっていくのを感じて、口をパクパクさせる。

体調って……っ?
ていうか、なんでこんなにもはっきりとした感触があるわけ……っ?

ま、まさか……これ、夢じゃなくて現実……っ!?

すると、さっきまでの出来事がどんどん思い出されていった。

そうだ私、倒れて……っ。


「思い出した?」

「…っ、えっと、」

「倒れた時、たまたま俺が近くにいたからここまで運んできたんだよ」


眩しい笑顔で笑った男の人に、恥ずかしくて身体が熱で火照ってしまう。
は、運んでもらったの……!?なんてことを……!!


「す、すみません……っ!ありがとうございます……っ」

「全然。体調は?」

「あ…っ、えっと」


生理痛だったってこと言った方がいいかな……?
正直まだお腹は痛いけどさっきよりは全然マシだ。

どう答えようか迷っていた時。




< 18 / 166 >

この作品をシェア

pagetop