緒臣くんのキケンな誘惑。
急にシャっとカーテンが開いて、そっちに目線を向ける。
「あら、起きたのね?」
「あ……」
そこには保健室の先生が私を見て微笑んでいた。
すると私のところまで近づいてくる。
「お名前とクラス聞いてもいいかしら?」
「えっと……音葉紫夕、二年二組です」
「音葉さんね。倒れちゃったみたいだけど体調はどう?心当たりはある?」
「あ……その……」
先生からの質問に言いづらくなって言葉が詰まってしまう。
こういう時ってどうすればいいの……っ。
生理だって言うことに抵抗があるわけではないけれど……助けてくれたこの人は見ず知らずの人だし……。
すると、そんな私の様子を見た先生はなんとなく察したのか。
「ちょっと天沢(あまさわ)くん、少しだけ出ててもらってもいい?」
「わかりました」
先生は男の人に振り返ってそう声をかけた。
すると、それに頷いて一旦外に出ていってくれて。
天沢くん、っていうのかな。