緒臣くんのキケンな誘惑。




なんでだろう、と疑問に思っていると、先生は私のいるベッドから離れてカーテンを開ける。


「もういいわよ」


そう先生の声が聞こえると、また私のいるベッドに男の人が入ってきた。


「大丈夫なの?」

「あ、もう大丈夫です。ありがとうございました」

「そっか、ならよかった」


天沢くん、という人が私のベッドの横にある椅子に座るとそう話しかけてきて。

この人がいなかったら私今頃頭打ってた可能性あるってことだよね。
本当に感謝しかないや、と思って頭を下げる。

すると、満足そうに笑った彼は私に手を伸ばしてきたかと思うと急に頭をポンと撫でてきた。


「……っ!?」

「…どうかしたの?」

「あ、あの…っ、近くないですか……っ?」

「…うーん、そうかな」


自覚なし……っ!?
あまりにも距離が近すぎて、また全身が熱くなってしまう。

こんな綺麗な顔の人に迫られたら誰だって心臓うるさくなるでしょ……!




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