緒臣くんのキケンな誘惑。
……いや、気づかないのも無理もないよね?
だって近くで見たらもっと綺麗なんだもんこの人。
そういえば前に音寧が話してた気がする……!
音寧って噂とか詳しいから、天沢緒臣くんの話何回かしてた……!
だから名前も聞いたことあったのか……!
あわあわと一人パニックになりながら、天沢くんの綺麗な顔と布団を交互に見る。
わ、私、今すごい状況じゃない……?
天沢くんに群がってた女子からしたらファンサービスってことでしょ?
「どうかしたの?」
「ひぇ!いや、なんでもないです……っ!」
「ふっ、可愛いね紫夕」
「…っへ!?」
私の様子を見て首を傾げた天沢くんに、ブンブンと首を振る。
すると、彼は優しく笑ってとんでもない発言をしてきた。
か、か、可愛い……っ!?しかも名前呼び……っ!?
これはファンサービスどころじゃない。特大ファンサービスだ。
かああっと顔に熱が集中して、心拍数が上がる。