緒臣くんのキケンな誘惑。
そっか、さっき先生に名前聞かれた時に言ったから名前知ってるんだ……っ!!
でもだからって紫夕呼びは心臓に悪くない……!?しかも顔面国宝のこの顔で……!!
距離感バグってるでしょ……っ!
……いや、冷静になれ私。
気のせいかもしれない。うんそうだそれ以外ありえない。
「もう教室戻る?」
「え、あ、はい……っ」
「わかった、じゃあ紫夕の教室まで送ってあげる」
「……っ」
気のせいじゃなかった……!!
どこか楽しそうに笑いながら私を見る天沢くんに、心臓がおかしくなりそう。
こ、この人……っ、わざと?
だって、明らかに楽しんでるじゃん……っ!!!
絶対そうだ!!と思いながら、ベッドから下りる。
誰にでもこうなの……っ?
軽くパニックになってる私の上から、クスクスと楽しそうな笑い声が聞こえて。
パッと顔を上に向けると、天沢くんは私を見て何を考えているのか分からない瞳で笑っていた。