緒臣くんのキケンな誘惑。
…っ、身長高……っ。
私が身長低いのもあってか、立つと思っていたよりも身長差があって少し驚いてしまう。
「じゃあ行こっか。無理はしないでね」
「あ、ありがとう天沢くん……」
そう言ってカーテンを開けて、やっと個室から出ることが出来て。
そこには先生が自分の椅子に座ってパソコンを触っていた。
「あら、もう行くの?」
「はい、ありがとうございました……」
「一応湯たんぽ用意しておいたから、必要だったら持っていってね」
「…!ありがとうございます」
先生の優しい気遣いに心が温かくなりながらも、用意してくれた湯たんぽを手に持つ。
ちらりと時計を見ると、まだ授業始まって少ししか経っていないみたいで。
……倒れてからあまり時間は経ってないみたい。
てことは、天沢くんを長い間待たせたわけではないってこと。
よかった……と息を吐いて、もう一度先生にお礼を言ってから保健室を出た。