緒臣くんのキケンな誘惑。




クローゼットから制服を引っ張り出して慌てながら着替える。

着替えたらバン!と騒がしくドアを開けて一階のリビングまで走る。


「ごめんお母さんおはよう!」

「おはよう、ほんとあんたって子は朝からうるさいわね……」

「寝坊して焦ってるの!!」


ごめんね!!!と謝りながら既に用意されている朝ご飯を視界に入れる。

席に座って両手を合わせて「いただきます!」というとお母さんからの返事が返ってきた。


…ふぅ〜、とりあえず落ち着こう。
もう急がなくても大丈夫でしょ。全然間に合う。

朝ご飯を食べながら息をつく。


私、音葉紫夕(おとは しゆ)の今日の朝はあまりにも騒がしい。
久しぶりに夢見たからかな……。


「ねぇお母さん。今日みーちゃんの夢見た」

「…みーちゃんって、紫夕が小学生の頃に公園で仲良くなった美少女だっけ?」

「そう!久しぶりに思い出したんだよ〜」




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