緒臣くんのキケンな誘惑。
本音




あれから次の日。

朝、学校の門をくぐり玄関まで歩くこの道のりがここまで苦痛なのは初めてだ。

なぜかって?
そんなの……っ!


「あの子だっけ?緒臣くんと手繋いでた子」

「そうっぽいよね」

「なんであの子なの?」

「ねー。なんか、普通」


この異常なくらいの視線の数のせいに決まってる……!!

普通ってなによ普通って!!ごめんなさいね普通で!!


周りにいる女の子にジロジロ見られながら、平常心を保って歩く。

小さい声で話してるつもりかもしれないけど、全部聞こえてるから……!

この状況も全部、昨日の緒臣くんのせいだよ……っ。


玄関について下駄箱に向かう時も、やっぱり視線を感じて。
こんな注目されたの、人生で初めてだよ。
なんて思いながら頭を抱えたくなった。


これ、学校の女の子達を敵に回しちゃったのかなあ……。





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