緒臣くんのキケンな誘惑。
可愛くなさすぎでしょ驚き方……!!
パッと後ろを振り向くと、あまりにも近い距離で私を見て笑う緒臣くんの姿があった。
いつもいつも近すぎ……!
突然のことにかああっと顔が熱くなってしまう。
「おはよう紫夕」
「お、おはよう……っ」
「どうしたの?顔真っ赤だよ?」
「っ、ち、近いんだってば……!」
分かってるくせに、なんでそう意地悪言うの……っ!
朝から緒臣くんのペースに飲まれて心臓がバクバクと鳴っている。
近いって言っているのに、全く離れてくれない緒臣くんに困惑でしかない。
これも女の子達に見られてるんじゃ……っ。
そう思ってチラリと周りを見ると、驚いたようにこっちを見ていた女の子達がパッと気まずそうに顔を逸らした。
……?
それに不思議に思っていると。
「だーめ、紫夕は俺を見て」
「…っ!?」